燃え上がれ!俺の嫁 vol.2

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女の人には冷え症が多いらしいが、俺の嫁さんもその類いらしく冬は厳しいらしい。
家の中では少し厚手のフリースのパジャマに、腹巻、靴下を着用して活動しており、
就寝時にはさらに首にタオルを巻き、手袋まではめていたりする。
とても寝る様子には見えやしない。
挙句、外出時にはババシャツ的なものを2枚くらい、ストッキングだかタイツだかを
2枚くらい、その上に上下セットの遠赤外線を発生するとかいう白いババシャツとタイツ
に腹巻(まるでイソノナミヘイのコスプレのようなのだ)、ようやくその上にいわゆる服を
着るのであった。
どんだけー   IKKOとかいうの見なくなったな。マツデラのせいかな。
 
しかし、今や、というかメーカーの不況下の知恵絞り、マスコミの扇動の結果、
腹巻、ステテコは若い男性に浸透しつつあるのだそうだ。
私も外でギターを弾く時、胡坐を掻いて弾くのだが、こう、背中の部分のズボンは
下にさがってしまうし、上着は上に上がってしまう。すなわち腰が、最重要keep warm point
である腰が露出し、寒く感じることがよくあったので、腹巻は気になる存在だった。
若者も巻くのなら、私も巻こうか、という三段論法そのものがオジサンまっしぐらでは
あるのだが、買ってしまった。勿論「若者向け」の腹巻売り場で。
以来、常時着用している。
もうぜってー手放せねえ!(北島康介風)
 
腹巻を買う起因として、やはり毎日ナミヘイスタイルの嫁を見ていたことによって
私の思考にバイアスがかかってきていたんだと思われる。
目の前であんなに防寒されると、誰だってそうなる。
 
その嫁はとどめに常時電気ヒーターを使用する。そんなに着ているのに、だ。
この電気ヒーターというのが気に入らない。
なんなんだろう。あの、フィッシュロースターやトースターについているのと同形の赤く光るヒーター。
出力MAXにしたところで、正面を1mから離れると、暖かくもなんともねえ。
そのくせ1200Wとかいうべらぼうな電力を消費しやがる。
ぶっこわしてえ。
が、ヘビーユーザーの嫁がいるのでそうもいかない。
ご飯を食べるときでも、そいつの熱が腰にあたってないと、言うのだ。
「寒い。」 と。
寒いならばなんかもう一枚着ろ、と言いたいところだが、さすがに家の中で
ダウンジャケットを着ると言うのも貧乏臭いし、そもそもそんなことを言うと
私がしみったれのくそったれになってしまうのではないかと危惧されるので、言わない。
で、「エアコンつける?」と聞くが、
「これ、つける」と答える。
多分嫁はそれがハロゲンヒーターであることを知らない。
ともすると「ヒーター」という言葉さえを失念しているかもしれない。
残念なことに「ヒーハー」なら嫁は知っている。確実に。
そう言えば嫁の発言には「あれ」とか「これ」が多い。もしかすると他にも
名前を知らないモノがたくさんあるのかもしれない。
 
ハロゲンヒーターは速攻、即効あったかくなる。多分嫁はそこが気に入っている。
気が短いのだ。
車の運転もそうだ。アクセルもブレーキもガツンと踏み込む。
横に乗っている私としては、驚きの連続だ。なぜここで急ブレーキ!?
信号が青になれば、急発進!とても眠ってなどはいられない。
ホットプレートで料理をしようというときも、必ず初めはMAXパワーでないと気が済まない。
私が「(設定温度を)100℃にしても200℃にしても、100℃になる時間は変わらないよ。
これのヒーターにはONかOFFしかないんだから。」と至極簡単にご説明差し上げても、
そんな訳はないだろうと、頑として200℃に設定する。
それ以上言うと私がそのホットプレートで調理されることになりかねないので、言わない。
 
なのでエアコンにはしてもらえない。
私は寒いままではないか。
さらに、エアコンはとってもいいものを買ったのだ。TOSHIBAの、シーズン最高級機種だ。
省エネに強くて、強めに使っても電力消費は、おそらくあのおぞましいハロゲンヒーターの1/3だ。
(プレーカー付属の消費電力計調べ)
せっかくだからエアコン使ってほしいじゃないか。
 
もうひとつ理由がありそうだ。
人は結局その人が認識できる範囲の中で、相対的に自己の状態を把握している。
ガキの使いでやっていた「田原総一郎の100のコト」という企画で
総一郎の好きな、というか面白いと思う言葉が紹介された。
「ある女が言う。一生で一番不幸だったことは、隣の家が立派な蔵を建てたことだ。
 そして一生で一番幸福だったのは、その蔵が燃えた時だった。」
話が長いので回答としては、ハズしていたが、感慨深い話だ。
 
そう。嫁も相対的に見ているのだ。私と比較して自分がどういう状態にあるのか。
エアコンを使って私と嫁が同様に暖かくなってしまっては、相対的には暖かくない。
私と嫁に体感温度差は無いのだから。
パーソナル暖房、ハロゲンヒーターならば違う。
その熱は完全なまでに嫁の腰に照射され、あまつさえ私になど届こうはずもない。
相対的にはとても温かいのだ。
寒そうな私を見ながら、自分はヒーターの熱を独占する。
持たざる者と、持つ者。
その格差こそが幸せをもたらすのだ。
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小泉改革による規制緩和、それによってもたらされた格差社会とはよく言うが、そうではない。
All you need is 格差...
そしてコンビニの台頭とファストフード業界の一人勝ちにケータイ、i-phoneにi-pad。
...and 即効。
現代を代表するその二つの欲求を同時に満たしてくれるハロゲンヒーター
その欲とともに、燃え上がれ!俺の嫁