ある日森の中crcdisk.sysに出会った

突然PCが起動しなくなった。
スペック
  OS:Windows VISTA Ultimate 32bit
  PC:マウスコンピュータ(OSレスで購入)

microsoft corporationとプログレスバー状のものが表示されているだけの画面。
その先を見ることができない。
1時間ほど放置してみたが、まだプログレスバーは動いていた。
ふん。リセット。
再びプログレスバーを眺めることに。
数回リセット、電源遮断をおこなったところ、事象に展開が発生した。
プログレスバー画面でHDDアクセスが始まるとPCがリスタートする」
まずい状況になってきたと感じ始める。
 
以前もPCがクラッシュしたことがある。
事象が定まらず、再起動を繰り返した挙句、BIOSすら起動しなくなった。
あれはつらかった。
マザーボード、CPU、HDDなど一つずつ買っては入れ替えた結果、
原因はメモリにあることに気付かされた。
残酷なものだ。
 
手持ちのメモリ3枚を全通り検証したが現象に変化はなくリスタートを繰り返す。
現象に変化はないのだ。
メモリではないのだろう。
 
おそらく意味のない嫌いなセーフモードで起動してみた。
果たして
crcdisk.sys
でリスタートがかかった。
ふん。今回はセーフモードも役に立ったな。
が、crcdiskを調べるすべがない。我が家には1台しかパソコンがないのだ。
ついでに他のF8起動オプションをすべて試してみたが、crcdisk.sysでリスタートだった。
 
起動中がちゃがちゃいじっていると、OS選択画面、およびメモリ診断実行画面に遷移した。
メモリ診断を実施したが、時間がかかった挙句、やはり問題は無かった。
 
ちょっと本気になった。
USB機器をすべて外した。
キーボードをUSB接続からPS/2に変更した。
ネットワークも外した。
つながっているのはモニタとキーボードとマウスだけにした。
が、crcdisk.sysでリスタートした。
 
CDからブートさせようにも、OSのインストールディスクはおろか、
ブータブルメディアすら持っていないことが判明した。
なんと愚かな。
 
あらかじめWindows Complete PC BackUpを取ってあるので、
それを戻せばいいだろうと思いながら、その日は寝てしまう。
 
翌日ドスパラに買い物に行く。
散々迷った末、以下の2点を購入。8千なんぼを失った。
・クローンHDDスタンド
・内蔵型HDD(SATA)500GB
HDDに障害はあるのはほぼ(前回の教訓があるので謙虚に)特定されているので、
HDDの購入は必須。
SATA→USB変換機器はデータサルベージに必要になるだろうし、そもそもHDDの検証に使える。
ついでに機器だけでHDDコピーできれば、それで復旧させることもできるのではないかと。
ついでに?それが目的だろ?
 
早速内蔵HDDのクローンを作成する。
クローンデータを持った新品HDDを接続して起動!←ダメもとでも結構期待している
やはりcrcdisk.sysリスタート。
 
しかしこれでHDDの中はUSB接続でできるようになった訳で、
友人宅に持っていって中を見て、多分OSインストールディスクのisoイメージが入っている
だろうからそれを復元すれば、少なくともWindows Complete PC BackUpは戻せるだろう。
それはいいとして、HDDをチェックディスクかけたりして、なんとか完全復旧とは
いかないものだろうかと考えながら眠りにつく。
 
友人宅でHDDを接続したところ、衝撃の事実が発覚。
HDDの内容が全く読めないのだ。
エラーメッセージの内容は忘れたが、とにかく読めず、チェックディスクもかからない。
何もできなかった。
何もすることができなかった。
 
数分で用事が済んでしまったがせっかくなので、crcdisk.sysエラーを調べた。
解決方法としては、
 ①再起動のみ
 ②S-ATAケーブルの差し替え
 ③CMOSクリア
 ④BIOSの設定でS-ATAIDEに一度変更し起動したあとで
  再度S-ATAモード戻して起動
 ⑤別なHDDにクリーンインストール
 ⑥変わった例ではマザーボードボタン電池交換
ref:Ra’Qな日常
他にもWindowsPEで起動したりすると、その後何事もなかったように復活した事例など、
どうやらハードウェア事由ではなさそうなモヤモヤが漂っていた。
③、④等を試した。都合①、②も試していることになる。
④についてはアクセスモードはSATAから変更不可であったため、
その他アクセスパラメータ等を全通り試行した。
全通り。そう、すなわち全通りでcrcdisk.sysリスタートだった。
 
いっそ飛び降りたほうが楽になるのではないだろうかと思いながらも、
あきらめの冬の到来が感じられる。今年の冬は寒いぞぉ
 
パソコンを買おう。VISTAなら、デスクトップなら3万くらいだろう。
そうすればOSインストールCDもついてくるだろうし。めんどくさいけど。
ハードウェアを一新、気分も一新、いい感じじゃねえか。(ユーザデータは一新しないが。)
 
ドスパラにパソコンを買いに行った。
果たしてVISTA搭載のPCなど売っていなかった。
中古ならあったが5万した。
5万。今のパソコン、動くかもしれないのに、捨ててまで。
そして絶滅へ向けて猛進するVISTAを買うのか。
 
悩みながら店を後にし、今度は別のパソコンショップへ。
 
やはりVISTAなど売ってはいなかった。
というか、そう、パソコン買ったって、結局ユーザデータは復元しなきゃいけねえんだろ?
あのHDDを復旧、データサルベージをやんなきゃいけないのは不動の事実だ。
パソコンなんか買って、逃げちゃだめだ。
逃げちゃだめだ。
逃げちゃだめだ。
 
ビシャー(SE)
アニメならエヴァが復旧、どころか異常な活躍を見せるところだろうが、
そんなものはこの世にはありゃしねえんだな。
普通にソフトウェアコーナーにのそのそあるいて辿りついた。
 
WindowsPEで起動する云々に、希望の光を、本当は光など無く、
神経系の事象のみにすぎないかもしれないのだが、光にすがった。
そういえば、確かに今までのアプローチはハードウェアに偏り過ぎだった。
ドスパラにもハードウェアしか売っていなかったし。
 
ソフトウェアコーナーには、、、
あるわあるわ「VISTA復活!」「完全復旧」「データ復元」などなど。
初めからここにくればよかったのか?
ソフトウェアを選んでいると、VISTA復活!系にその系では激安、いや、
そのコーナーでも激安の部類に入るであろう3千円くらいのソフトが。
「パソコン復活」とかいうの。
WindowsPE搭載で云々といいことが書いてある。
買った。
クソを。
そう、
それはクソだった。
3000円のクソだった。
Windowsの正式システムリカバリ環境は提供されていなかった。
Windows Complete PC BackUpを利用できないのだ。
できることと言えば、MBRの修復、レジストリ、boot.iniの編集など。
挙句HDDが飛んでいる私のPCではMBRの修復のみが実行可能だった。
藁にもすがる思いで、MBRの修復を実行したところ、
まんまとHDDが認識しなくなった。
つまり、状況が悪化したのだ。
またもやクローンHDDの出番だ。まあ、あるからやったのだが。
 
そのクソを返品できないかとまたパソコンショップへ。
返品というからにはなんか別のもの買わなきゃいかんかなと思いながら、
再び長考。周囲の不審者を見るような視線を振り払いつつ。
どうも、サードパーティーのソフトウェアは、やはりこの程度、いや、
Windows付属のバックアップがあることを想定してない。
あるいはWindowsのその機能を使えるぐらいなら、サードパーティー
復旧系ソフト(ディスククローニング(イメージ作成)を除く)は
必要ないということを御存じなのだろうか。
これはあきらめたほうがよさそうだ。
となると必要になるのは、とりもなおさず、OSインストールCDだ。
と思って値段を見て、へたりこんだ。
4万円也。
ああ?なにこれ?
Windows VISTAが?もう絶滅に向かっているこのOSが?4万円
いくらUltimateだからって、それはねえだろ?
一番安いHomePremiumでも2万6千円。ああ。キてるねえ。
VISTAも7(not なな)も値段は変わらないのだ。
 
もう相当イヤになっていたので、確実に幸せになれるなら
4万円出してもいいかなあ、などと思いそうになる。
「そう」になった。
が、まあ、待てと、他にも手はないか、じっくり今晩考えてからにしよう。
VISTAは逃げやしねえ。
じゃあ在庫確認して帰るか、と、在庫確認したところ
在庫が無かった。
Windows VISTA Ultimate」はもう製造停止→販売終了らしい。
思わず店員を○○しそうになった。
○○した所で製造が開始される訳ではないのだが。
 
見方を変えればあきらめがついた。
何の?
家に帰るということ。なにも買わずに。
 
家に帰ってから、気付かされる。
実家のPCがVISTAであったことに。HomePremiumでメーカPCだけれども。
非常に心苦しかったが、親に泣きついて添付CDを全部送ってもらうように依頼した。
情けねえとつぶやいて冷めたツラして歩いても、
やはり最初に頼るべきは血族ではないだろうか。
 
その他友人などにも当たってみたが、なかなかよい返事がなく、
二の矢、三の矢を放つことなく、親のCDを待つのみとなった。
 
届いた。
なんと届いたCDは「Windows VISTA anytime upgrade CD」。
感動した。
どこぞのサイトでWindowsOSのアップグレードCDは、実は中身はアップグレード後の
バージョンのインストールCDと同じ、という趣旨の記述を見たことがある。
起動した。
WindowsPEベースなので、例のプログレスバーの画面になるが、ここは大丈夫。
例のクソでもここは突破した。
現れたVISTA風画面でキーボードなどの選択をして、「次へ」。
そう、この「次」の画面で「修復セットアップ」が選べるかどうかで、
私の人生がここで終わるかどうかが決まりそうだった。
 

キタ
 
キタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキ
 
「修復セットアップ」の文字が。
ああ。ありがとう。おがん。
いつもろくでもないもの送ってくれるけど、今回のCDで帳消しだよ。
ありがとう。おがん。
恙無くComplete PCの復元が完了した。
 
復元後のPCはまあ問題なく使えている。
taskeng.exeが停止するというエラーが発生するが、それはまた別のお話。
 
私の「crcdisk.sys問題」は結局何が問題だったのかはよくわからない。
クローンして作成したHDDでも同事象が発生したところから、
ハードウェア原因ではなく、データの論理/物理(どちらかというと論理)構造に
問題があったものと推測される。
通常時でもセーフモードで確認すると「crcdisk.sys」で時間がかかること、
また表示としてはその1行が最後のように見えることから、HDDが読めなくなると
crcdisk.sysで固まったように見える。
つまりcrcdisk.sys問題はHDD読めなくなった問題に言いかえることができるのではないか。
crcdisk.sysは悪くない。
ただ最後にロードされるだけなんだ。
そして、だからこそ、問題が特定されにくい。
 
なんにせよ、バックアップは使えないと意味がない。
自分の愚かさを思い知った。