ニッポンは資本主義:第2回 私企業による生産

ウィキペディアによると以下の特徴があるそうです。
私有財産
・私企業による生産
労働市場を通じた雇用、労働
・市場における競争を通じた需要、供給、取り引き価格の調整

19世紀時点で以下のような問題点があったそうです。
ウィキペディアによる
・低賃金、劣悪な労働環境
・物価の乱高下
社会保障の不備
・貧富の格差、失業・無業・無産層の存在
・市場を求めて他国へ帝国主義的な侵略

一個ずつ、分けて考えていきます。
今回は、私企業による生産についてです。

・私企業による生産
企業の成り立ち
企業、COMPANYの起源って、大航海時代に生まれたそうです。

貿易は儲かる

貿易にはリスクが伴う(船は沈没してノーリターンかも)
→ハイリスクハイリターン

個人ではリスクを背負えないため、みんな(特に金持ち)で共有する

こんな流れで、お金を出す、それに見合ったリターン、利益を得る
といった図式が成立していったようです。
はじめは一回の貿易ごとにこのような仕組みをとっていたそうですが
そのうちメンドくさくなったのか、お金を出しっぱなしにして
貿易を継続し続けるというようになってきた。
これが会社の始まりです。
もう今と同じですよね。
お金を出すのが「投資」で、リターンは「配当」ですよね。
こんなに昔から、今と同じ仕組みができあがっていたなんて
ちょっと驚きです。
挙句変化もないんだから、相当素晴らしい仕組みなんだと思います。
あ、そうそう、会社名って「Co.,Ltd.」とかってなってますよね。
LtdってLimited、有限という意味です。
有限責任会社という意味で、会社の責任は投資された金額の範囲内に
限定されるということです。
貿易船が沈没しても、貿易が中止になっても、会社が潰れても
投資されたお金の範囲で、さらにそれを使ってしまっていたら
残った範囲でお金を返すなりするということで責任を果たし
それ以外は知りません、ということです。
有限責任会社はおよそ一般的な考え方で、日本の有限会社とは
 定義レベルが異なるものです。

ビンボー人にもチャンスを
企業の概念って、お金を出し合って、リスクを共有するということですね。
非常に基本的な概念ですよね。
なんか一部の裕福層が儲かる仕組みのように思われがちですが
実はその逆の概念ともいえます。
例えば、ある発明をして、それを作ろうと思ったとき
その工場建設に1億円かかったとすると、企業の概念がないと1億円
個人で貯めなくてはならず、またそのリスクも個人で背負わなくては
いけないということになります。
--お金持ちのところをまわって集めると、まさに大航海時代さながら。
企業の概念があれば、100人に100万円投資してもらえば工場を
建設することができてしまう。
逆に企業の概念がなければ、工場建設は1億円を出せる裕福層しか
できないということになってしまいます。
まさにビンボー人にもチャンスを与える仕組みと言えると思います。

投資家になろう!
じゃあ、なんで企業が裕福層が儲かる仕組みと思われるのでしょうか?
おそらくは産業革命などを通して、労働者よりも、経営者、投資家のほうが
儲けすぎたのでしょう。
企業はいかに投資金額を増やして、配当するかが第一命題なわけですから
利益を増やしたい、そのためには労働者の賃金は2の次になってしまって
搾取しすぎたことと思います。
また、投資の方法も限定的で、裕福層が集まって投資をすることが
多かったんだと思います。そこに中間層以下が入り込む余地
もなかったのでしょう
この2点のために、企業が悪者扱いされてしまった。
・労働者からの搾取(文頭の「低賃金、劣悪な労働環境」につながります)
・限定された投資方法

1点目の問題については、永遠のテーマとも言えると思います。
適正賃金ってなんでしょうか?非常に難しいですよね。
生活できなくて困るレベルは今でもセーフティネットがかかっていますが
それ以上に対して、適正なレベルを決めるのって難しいですよね。
働く個人が不満だと、この問題は解決しないので
解決しない問題。解決しないということは、問題にはならない?
労働組合職業選択の自由で個人が解決すべき内容でしょう。

2点目の問題は、ある程度解決を見ているといえます。
現在では大きな企業のほとんどが株式会社の形態をとっており
株式を市場に公開しており、誰でもその企業の出資者になることができる。
1点目の問題もクリアできるかもしれません。企業は配当を増やしたいために
労働者から搾取するんです。労働者自らが出資してしまえば
賃金が搾取されても、それは配当として還ってくるんです。
サラリーマンの皆さん!持ち株会があったら入りましょう!

上場していない株式会社や、有限会社、合資会社などは
この点のフォローが非常に重要です。
ファスナー、チャックで有名なYKKは上場していませんが
持ち株会のような制度があって、社員、退職社員が株主と
なるような仕組みがあるそうです。
--簡単に売れないので困りますが、社員は家族という概念で、売らないそうです。
もしサラリーマンが、自身で働く会社の株主になれないとすると
それはバランスと欠いているといえます。
仕組みを変えるよう努力するか、無理だったら
転職も視野に入れたほうがいいでしょう。
搾取されても、取り返すルートがないのは、危険です。
--それ以前に、勤務する会社の、経営者、投資家を信頼できますか?
--その信頼関係を築けないならば、即刻去るべきです。

投資の基本
近年の投資ブームで、投資が一般化してきました。
とても良いことだと思います。ただ、やはり未だに投機だとみなされがち
投資しているほうも投機的投資に走りがちだと思います。

自分の労働を投資に捕えてみてはどうでしょうか?
--もちろん性質は全く異なりますが、リターンがあるところでは同じです。
自分の能力、時間、成果物等々を企業に投資している。
その配当として、賃金を貰っている。
こう考えると、投資は長いスパンでおこなうべきものだし、信頼できる
経営者の会社におこなうべきものだということは、見えてくると思います。

体は1つしかないので、1つの企業にしか勤められません。
でも世の中には数多の、自分が思う優良企業、働いてみたい企業が存在します。
体の代わりに、お金に働いてもらう。
これがサラリーマンの投資の基本だと思います。
--今では大航海時代のように、プロジェクト単位に投資できませんし。
--あ、そんなのもありますね。アイドルファンドとかあるそうだし。

先に自分の働く会社に投資しようという話をしましたが
自分の労働、資金を1点集中で投資していると
自分の会社が利益を上げれなくなってしまうと
配当を貰えないばかりか給料も出なくなってしまうかもしれません。
これは非常に大きなリスクです。
そのリスク分散のためにも、ほかの企業でも働く、働けないので
投資しましょう。

いっそ国営に!?
この企業を投資家のものではなく、国のものとするのが
社会主義国家に見られる国営企業です。
利益は国、国民に還元されます。
投資家は存在しません。
わざわざ投資しなくても、搾取されるリスクも、投資する手間も
なくてとっても良い制度のように見えます。

ではなんで社会主義はすたれるのか。
人間ナマクラモノだからです。
企業の利益は国の、国民のものなので、その利益は国全体で
まとめられて平均されて薄められてしまいます。
それが国民に還元されるときに、さらに薄められてしまいます。
企業ががんばっても、そこでがんばって働いても
その違いは微々たるものになってしまいます。
だったら、働いても、企業が利益を上げても、変わらないんだったら
働かないほうが、がんばって利益を上げないほうが、ラクですよね。
そんなこんなで、廃退の一途です。
制度自体はとってもすばらしいのですが。
また、国はろくでもないことばかりします。
ニッポンでもそうですが、いらないことにお金を使ったり、裏金があったり
ワイロがあったり、横領があったり、などなどなど。
もう嫌になるくらいいっぱいあります。MANYです。
企業の利益がそっくりそのまま、そんなことに使われたのでは
たまったもんではありません。

人間が勤勉になるのが不可能なくらい、国がスマートになるのも
不可能でしょう。

でも、いつかそんな日が来るのかな?
いやー、無理だろうなー
私は働きたくありません!(断言)