ARAI TOUR-CROSS 2 買った!使った!レビュー!

 
バイク用のヘルメットを購入した。
オフロード用のヘルメットというのは、あまりニーズがないのでヴァリエーションもない。
これの前に使っていたのは、同じく先代のARAI TOUR-CROSSだった。
さらにその前に使っていたのは同じくARAIのフツーのオフロード用ヘルメットだった。
形はどれも同じではある。
しかしフツーのとTOUR-CROSSには大きな隔たりがある。
TOUR-CROSSにはシールドがあって、ゴーグルをつける必要がないのだ。
これは大きかった。オフロードヘルメットの革命だった。
このシールド付きのオフロードヘルメット、ラインナップの短いオフロード用なので
ARAIでひとつ、SHOEIでひとつしかない。
もちろんヘルメットメーカーは他にもある。が、上記2社は日本のメーカーであり、世界に出れば
プレミアムヘルメットメーカーという扱いを受けている。都合、他のメーカーは眼中から外れる。
で、ARAIかSHOEIかなのだが、SHOEIはどうもデザインがギラギラしている。
エッジが効いているというよりも、個性をだそうとしてがんばっている未成年のような印象を受ける。
その点、ARAIは大人だ。洗練されている。
まあ、遊びのないデザインと見ることもできる。
 
そんなこんなでまたARAIのを購入した。
Yahoo!ショッピングで。もちろんポイント大盛りキャンペーンで。
届いた。
かぶった。
気絶しそうになった。
今まで使用していたのは先代のTOUR-CROSSなので、サイズは変わらないと思っていたのが
どうも誤りだったようだ。
明らかにキツイ。内装のクッションがへたっているとかそういう問題を超えて、キツイ。
顔が圧迫され、特に頬が圧迫され、挙句顔がうっ血して赤くなるので、
まさにこれヘルメットをかぶったタコ。
頬をおさえるパッド(システムパッド)は薄いものに換装できるようなので、速攻注文した。
このシステムパッドを売るためにデフォルトはタコ(悪魔)のようなキツサに設定しているんじゃねえか
と思われるのは、やはり俺が下衆であるからだろう。
 
しかし、本当にキツイ。
我慢してかぶれるとかそういう問題ではないのだ。
かぶって数分後、顔がうっ血するのが分かり、それでもかぶり続けると
気が遠くなるというか、クラっとしてくる。
そんな状態でバイクを運転するのは、アルコールとかエタノールとかベンゼンを吸いながら
運転しているのと変わらないくらいの自暴自棄、反社会的振る舞いだと思われる。
(これを)かぶったら、乗らない。
 
数日後、替えのシステムパッドが届き、交換してみた。
それでもやはり多少の圧迫感は残るのだが、これはなんとかなりそうな感じだった。
貧乏症の、いやリアルに貧乏な私なので、無理に「なんとかなりそう」だと、
自己暗示によって思い込んだのかもしれないというツッコミはさておき。
 
このTOUR-CROSS 2、全体的に圧迫感が増している。
確かに頬周辺の圧迫は不快、危険でさえあるのだが、他の圧迫はむしろ逆に快だ。
頭頂部周辺から側頭部?いや、鉢巻から上の部分の圧迫感は気持ちいい。
包まれ感が、やさしくホールドされている感じがとてもいい。
TOUR-CROSS 2は全体的にクッション厚みが増していること、今まで使っていたTOUR-CROSSが
およそ5年以上使用してきたもので、クッションがへたり、つぶれ、腐りかけていた、それの
感覚が残っているためであろうか。
そう、私のレビューなんてそんなもんなのだ。他に1つか2つしか使ったこともなく、
挙句そのうち古くなった、老朽化した製品と比べてしまったりするどうしようもないものなのだ。
もう、書くの、やめようかな。
ふと見上げるとディスプレイの裏からこちらを見ている眼と目があった。
また俺か。
私はまだ書くのをやめるわけにはいかない。
与太は与太話を語るのだ。
吾輩は天才なのだ。
 
数ヶ月が経過し、全体的にクッションもいい感じでへたり、というよりも私の頭に適応してきて、
装着感は全く問題ないと言っていいくらいのレベルになってきた。
もう前代のTOUR-CROSSを忘れたせいかもしれない。
 
特筆すべき性能はシールドにある。
妙なほどクリアなのだ。
「妙」というのは、そのシールドが無いかのようなクリアさ、ではなく、視界が広がる点にある。
なんだかレンズをとおして外界を見ているような気がすると、調べてみたら、どうも本当に
レンズ構造をなしているらしい。
↑ピンシールドをつければ「ダブルレンズ」なのだから、つけなければ、「レンズ」ということになる。
なるほど。今知った。
そういうことか。
どおりで「妙」によく見える訳だ。
雨の日にも曇りにくい。
が、難点が一つ。
クリアなレンズの宿命なのだろうか、夜、ライトの光がシールドの内側で反射する。
右から入ってくる光が、右側のシールドを透過し、左側のシールドを透過していくのと同時に、
左側のシールドで反射するのだ。
レンズではない先代ではなかった反射だ。
まあ、最初は左から何か来るのではないかと驚いたものだが、慣れた。
俺はそれを受け流す。左から右へ。
 
後は換気機能だろうが、冬に機能をONにすると頭が寒い。
先代ではそれほど寒くはなかったので、機能が向上しているのだろう。
これは、期待どおりの性能だ。
 
それにつけてもレンズシールドだ。
古いヘルメットを未だにかぶっているようなら、一度体験をお勧めしたい。
視界が広がる。
 
視界は広いほうがいい。
下を向いて歩いて壁に頭をぶつけるより、
上を向いて歩いてギャップにつまづくほうがましだ。
涙も、こぼさないですむ。